自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

 私が、社会人になったのは今から30年以上も前になる。あるご縁で当時日本リクルートセンターという社名だった会社(現リクルート)と巡り合った。入社したのは、広島を拠点とする当時の中国事業所、従業員は14名だったと記憶している。新人時代から愛媛県というエリアをいきなり任され、毎週のように水中翼船で通ったのを覚えている。この会社に入って、その後様々な経験と学習の機会をいただいた。中にはリクルート事件のように、あまりいい思い出とはいえないこともあった。しかし、この会社で、ビジネスの基本を学んだのは確かである。そして、今があるのもこの会社、そしてこの会社で一緒に仕事をさせていただいた方々あってのことである。この会社のことを「心理学経営」として本にしたのはなくなられた元副社長の大沢武志氏であった。創業者の江副浩正氏が東大の心理学科出身ということもあり、会社の経営にはそこかしこに心理学のにおいがした。かくいう私も心理学科の出身である(大学時代は部活を主としてまったく勉強はしなかったが)。「人がいかにしたらやる気を出し、成長し、業績をあげるか」を心理学的アプローチで実践した会社といっていいだろう。モチベーション理論の視点からすると、リクルートは、自己決定理論(エドワード・L・デシという学者が提唱)を採用していたように思う。この理論は、人がやる気になる要因として「自己有能性」「自己決定性」「関係性:社会的承認」が重要としている。それを言葉にしたのが社訓であった「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」である。今思い出すとリクルートにおける様々な経営施策はこうした原則を土台にしたものが多かった。そしてそれが、いつしか積み重なり、リクルート学とでもいうような体系的経営ノウハウとして形成されていったように思う。リクルートを巣立った方々が各方面で活躍されている。リクルート以外の方からは我々OBも含めてリクルートの人間は共通のにおい、行動特性を持っていると言われる。まさにリクルート学の実践がそうさせたのだと考えている。いい面ばかりではない。一時期「利に狂う人」と書いてリクルートと揶揄されたことも事実である。しかし、独立して改めて思うのは、リクルート学には現代企業の経営課題に対する実践的ノウハウがいくつもあるということである。それを、社名にあるHPT(Human Performance Technology:人と組織の成果を高める技術体系)と融合させてお客様のお役に立ちたいと思ったのが創業の思いである。そして、そのためには、様々な専門家の方々と思いを共有して、組織化してサービスを提供できないかと考えたのである。現在50社近いパートナーの方々にお世話になっている。創業の原点を大事に世の中のお役に立てればと願っている。
株式会社HPT研究所 代表取締役
伊藤 克彦

ロゴ

昭和32年1月27日

宮崎県生まれ

昭和54年3月

国立広島大学教育学部心理学科卒

昭和54年4月

(株)日本リクルートセンター(現(株)リクルート)入社

平成3年10月

(株)リクルート映像出向

平成6年4月

(株)メディアファクトリー出向

この間、(株)ツインドームシティ(現福岡ドーム)からの業務受託を受け、
セールス部々長、販売部々長を歴任。

平成8年10月

株式会社リクルート復職後 広告局々長、人材総合サービス事業部門 営業変革推進部々長を歴任

平成14年4月

独立、HPT研究所設立、代表取締役就任

ロゴ

株式会社リクルートでは入社以来採用・教育関連事業の営業を担当。管理職に昇進後は北陸、九州地区の新卒採用事業の責任者として営業から媒体編集制作、教育事業など事業全般を担当。特にエリアに密着した媒体開発、事業戦略では社内の注目を集めた。

その後リクルート映像に出向。採用PR用のビデオ制作をはじめ、教育からプロモーションまで幅広いジャンルで映像プロデュース業務を担当。建設業界の雇用近代化事業における映像活用やFC業界向けのオーナー戦力化プログラム開発、生保業界における女性戦力化などが代表的な仕事としてあげられる。
ダイエーによるリクルート買収後は福岡ドームの立ち上げに参加。主に法人営業部門の責任者として、事業基盤作り、新規事業開発を担当。その後リクルートに戻り、初代広告局々長として、リクルート媒体へのSP広告売上拡大へ向けて、広告代理店を組織化、ネットビジネスの立ち上げや様々な新媒体の立ち上げに関与した。

その後人材サービス部門に移動し営業教育事業を担当、営業ソリューションビジネス構想を立ち上げ、営業変革推進部として組織を改組しリクルートの次世代事業開発を兼務、全社的なソリューションビジネスの立ち上げに参加。その後自らの構想を具体化すべく独立。HPT研究所を設立。現在にいたる。

ロゴ

社名にあるとおりHuman Performance Technologyの研究開発及びその成果に基づくサービス開発・提供を行っている。人・組織とIT技術の融合による21世紀型の新しいビジネスモデルをCRM的な視点で実現することを意図している。

  • HRMソリューション(人と組織とシステムの融合をもとに人的資源の活用という観点から人事教育制度の構築など)
  • CRMソリューション(顧客戦略とビジネスプロセスの開発、それらに伴う組織・人事及び採用戦略、制度開発など)
  • マーケティング戦略(顧客資産、顧客リレーションのマネジメントと市場開拓など)
  • 新規事業開発(媒体開発やビジネスモデル開発など)
  • 営業教育(プログラム開発から教材開発、マニュアル開発など)

contact

HPTへの相談、
お問い合わせは
お気軽にこちらへ。