ファシリテーション 08.07.14 ナレッジNo.4
<組織と個人の成果を生み出すために>
「もはや、少数の人間が組織を率いていくのは難しく、たくさんの人々がそれぞれの持ち場でイニシアティブを発揮していかなければ組織は動かない。上位の者が決定し、下位の者に動機付けや命令をするのではなく、一人ひとりがなすべきことを考え、関係する人々を巻き込み、その連鎖で組織全体を動かしていかなければならない。」
以上は、日本におけるファシリテーション研究の第一人者堀公俊氏の書に出てくる一文である。この一文に今の経営者が企業運営面において直面している問題の本質が表現されているように思うのは私だけであろうか?
組織的な成果を生み出すためには、そこに関わる様々な利害を抱えた人々が、『共通の目的のために協働すること』が必要になる。こうした協働の場は、様々な場所、機会、方法で行われている。会議がその代表的なものであるが、こうした場を共通の目的や目標を達成するために効果的に活かしているケースは意外に少ないのではないだろうか。
昨今、書店に足を運ぶと会議の技法やノウハウに関する本がずらりと並んでいることもそれを裏付けているように思われる。こうした、人と人との関係性を持ちこんだ『場の生産性をあげる』ことは、人と人からなる組織の力を向上させるためには欠かせない要件となっている。
前述の堀氏は、このような考え方や知識・スキル体系を『ファシリテーション』という概念で整理している。このファシリテーションという概念は、「問題解決や合意形成を促進する技術」としてアメリカで生まれたものである。
ファシリテーション(facilitation)という言葉は、「容易にする」「円満にする」 「スムーズに運ばせる」という意味をもつ。
ファシりテーションは人々の活動をスムーズに、うまく運ぶようにするための技術なのである。
ファシリテーションは、以下の2つの観点と4つのスキルから構成されている。
【2つの観点】
1)予防:会議などの場が、本来の目的から逸脱しないように事前もしくは場で共有するよう働きかけること
2)介入:場の運営中に本来の目的を達成するために働きかけること
【4つのスキル】
1)会議など人が集う場をデザインし、人と人をうまくつなげるスキル
2)場の人々のメッセージを受け止め、そこから本質的な意味合いや思いを引き出しチーム意識を高め、相互理解を促進するスキル
3)その場の問題や課題などを構造化してわかりやすく共有化し、場を整理、まとめるスキル
4)その場の合意を形成していくスキル
こうしたスキルを持って場に予防措置や介入をする役割を果たす人を『ファシリテーター』と呼んでいる。複雑な利害関係を抱えた現在の組織環境を考えると、このファシリテーター育成が組織成果を向上させる鍵になるように思える。そして、それは、組織マネジメントのあり方を根本から見直す良いきっかけを提供してくるはずである。
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