成果監査7段階

HPT(Human Performance Technology)の専門家は、様々な問題解決策を検討する前に、目指す姿(理想)と現実の間にある「矛盾点を生み出している原因をどう取り除くか?」を重視します。

そして、その理想と現実のギャップを克服するのに必要なコスト評価を基礎的なプロセスとして持っています。

HPTの思想的なリーダーとみなされている“ギルバート”という学者は、こうした一連の手続きを『パフォーマンス(成果)監査 』という言い方をして、以下のような段階設定をしています。

ステージ1 「何を達成しようとしているのか」の明確化

ステージ2 「何をするように求められているのか」の明確化

ステージ3 「現実的に達成できそうな可能性はどのようなものか」の明確化

ステージ4 「現実的な成果はどのようなものかを測定し」明確化

ステージ5 「はっきり成果として現れたもの」の“経済的価値を計算し”明確化

ステージ6 「目指す姿と現実のギャップをどれくらい改善できそうか」を“数値で”明確化

ステージ7 「現実に達成できそうな成果から期待できる」“経済的価値や可能性を測定し”明確化
こうした観点からすると、人や組織の問題を考える時の対策としてよくあがる“教育研修”なども冷静に考える必要があります。

仕事のやり方が良くなかったり、組織的な問題があるといった「成果を生み出すことを阻害する要因」がある場合、教育効果を期待することは難しいと言われており、投資効果も低い、ということが実証されています。

このようにHPTの専門家には、一定の成果をあげるために必要な要因を、考えられる観点から総合的に証明することが求められています。
そして「経済的な成果が期待される状態が作り出されるまで、積極的な対応は控えるべきである」という考え方をとっています。

アメリカでHPTの考え方が経営者に支持されているのはこうしたことからのようです。

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