新任マネジャーの躓き
新年度になって2ヶ月になろうとしている。この4月から新任のマネジャーとして着任されている方も多いことだろう。さて、近年、職場環境の変化によってマネジャーとして成果を出すことが難しくなってきていることが指摘されている。それは以下の4つの変化が原因だとされている。
1) 組織のフラット化が推進され、マネジャーとしての経験を段階的に積むことな
くいきなり昇進するケースや抜擢人事が増えている
2) プレイヤーとしての業務を抱えながらマネジメント業務を担うケースがほ
とんどという職場が多い
3) 職場に多様な雇用形態の人々や世代、性など多様な属性が混在して価値観の共
有や人間関係構築などが行いにくい
4) コンプライアンスの遵守などで業務や手続きが過剰に煩雑化してきている
こうしたマネジャーを取り巻く仕事環境が大きく変化してきている中、マネジャーとしての役割転換がうまくいかず挫折を味わっている人が多いという。特に以下の7つの点で躓くケースが多いようである。
① 部下育成の重要性はわかっていても任せられない
② 組織間や利害関係者との政治的駆け引きがうまくいかない
③ 部下より実務知識や経験がない中での責任と意思決定に重荷を感じる
④ 職場目標の具体化と部下との役割や仕事の分担がうまくできない
⑤ 年上の部下や契約社員、派遣社員等多様な人材をマネジメントしなければならず、人間関係がうまくいかない
⑥ プレイヤーとマネジメント業務のバランスがとれない
⑦ 精神的孤独感と戦いながらの前向きなマインド維持ができない
上記の中でも新任マネジャーの場合は、プレイヤーとしての自分の成功体験に引きずられ、部下に任せられず自分で仕事を抱え込み、担当組織の目標を部下と分かち合うことなく孤軍奮闘、その結果部下も育たないという悪循環に陥るケースが多いとされている。皆さんの職場ではいかがであろうか?
こうした状況に陥らないためにも。マネジャーになる前に、マネジャーになった後を想定しての心の準備をしっかり行わせることが重要といえよう。また、マネジャーになってからのフォローアップ、支援も欠かせない。キャリアチェンジ場面でのこうした教育の重要性は、昔から言われてきているが、職場環境が大きく変化し、マネジャーが成果を出すのが難しくなっている現在だからこそ改めて考えてみたいテーマといえよう。
マネジャーになるということは、ある意味仕事人間としての生まれ変わりを行うというくらい大変なことであるとの認識が経営層に必要な時代になってきているのかもしれない。
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