賃上げへのジレンマ

今年度の企業収益は大幅に改善され、税収も当初予定よりも増えそうだというニュースが新聞に踊っていた。過去最高益を予定している上場企業も多いと聞く。そのせいもあって、来年度の賃上げには相当の期待が高まっている。しかし、一方で気になることもある。大企業の収益のかなりの部分が海外で稼いだものであり、国内市場からの収益は依然として厳しいという見方である。国内市場相手の企業が多い中小企業はなおさらである。将来
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職場の協働崩壊の危機

私どもで提供している従業員満足度サーベイ約5000名分(2005年以降実施)のデータを分析していて気になることがあった。それは①評価処遇、給与が不満、②経営層が信頼されていない、③過度に残業が多く休日がとりにくい、④職場間連携がうまくいっていない、⑤仕事の手順やルールが整理されておらず進め方がわかりにくい、という組織の現状分析結果である。①の評価処遇、給与への不満は、バブル崩壊後成果主義が台頭し評
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高年齢者雇用の問題

 2013年4月1日から高年齢者雇用安定法の改正法が施行され、60歳定年を迎えた人が希望すれば、原則全員が継続雇用される事態となった。これは、厚生労働行政的には年金支給の空白地帯を作らないという観点もあってのことであるが、日本の高年齢化は否応なく進み、もうまもなく日本人のおよそ3人に1人は60歳以上になるとされていることもあり、60歳以上の雇用問題は企業にとって重要な組織課題となっている。  高
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組織のボトルネック

9月になり秋口の組織改編が気になる時期になってきた。今年度はアベノミクスの三本の矢の影響もあってか、世の中の雰囲気が大きく変わり守りを意識しつつも攻めの体制へどう変換していくかを模索している企業が多いように感じられる。こうした組織改編を考える際に重要となるのは、経営課題の達成のために現行組織のボトルネックがどこにあるかということである。何年前であったか、E・ゴールドラット著の「ザ・ゴール」という本
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今こそ組織アイデンティティの再構築を

組織やそのメンバーの行動を説明する概念として組織アイデンティティというものがある。これは、1985年にAlbert&Whetten他によって提唱されたものとして知られている。この概念が注目されてきた背景には、組織を取り巻く環境が日増しに複雑で変化の激しいものになって、そうした環境への対応に追われて自らの組織が持つ本来の強味(自分たちらしさ)を見失いがちになったり、新たなビジネスモデルが登場して改め
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