不満・苦情処理機能を担う上司

従業員が、仕事や処遇、人間関係、さらに仕事と生活の関係などに対して不満や苦情を抱き、それが解消されないことは、働く意欲を下げ、生産性や創造性にも悪影響を与え、ひいては離職につながることは多くの識者が指摘していることである。不満や苦情は、従業員の権利に関するものと利害や働く環境に関するものに二分できる。 これらの不満や苦情を解消する仕組みは、企業内では、労働組合によるもの、苦情処理機関などによ
▼続きを読む

組織の4つの形態

めまぐるしく変化する経営環境にどういう組織形態が最も適合するかについては、様々な専門家が研究成果を世に紹介している。それらは、大きく分けると、 1)機能を重視したもの 2)製品やサービス、事業部門、顧客、テリトリー等の「事物」の観点から製品・サービスをどう効果的に・機動的に開発・生産・販売するかという製品中心のもの 3)機能と事物の両面を組み合わせたマトリックス的なもの 4)自律的つながり
▼続きを読む

組織の持つ本質と課題

経営学の巨人ドラッカーは、その著書「マネジメント-課題、責任、実践」の中で「完璧な組織構造などありえない。せいぜいできることは、問題の少ない組織をつくることである」と喝破している。つまりは、企業経営の要諦が環境適応であるならば、環境の変化に伴って噴き出てくる問題を最小限にする組織作りをしていくしかないということであろう。ドイツの心理学者マクシミリアン・リンゲルマンは、集団で一つの作業をする場合、人
▼続きを読む

組織構造の6要素と昨今の傾向

仕事柄、組織構造の問題を分析・報告することが多いが、組織構造には以下の6つの要素があるといわれている。それぞれの要素についての昨今の動向とともに整理してみたい。 1)職務の専門化:1人が仕事を最初から最後まで行うのではなく、いくつかのス テップに仕事を分けて各ステップを各個人が別々に行う専門分業化をいう。こ うした専門化によって効率化が追及され生産性向上に大きく寄与してきたとい われてきた
▼続きを読む

生涯賃金減少時代

人事制度構築の仕事をしていて最近気になることのひとつに、総額人件費管理の視点から給与制度を設計することが多くなっていることがある。この考え方は、企業の労働分配率などの指標に基づいて賃金管理をしていくというものである。労働分配率は、企業の生み出した付加価値における人件費の割合をいうが、総額人件費管理の考え方でいけば、労働分配率を基に賃上げや賞与を考えていくため、企業の収益性が昨今のように低下している
▼続きを読む